地方のコワーキングスペースで働きながら、考える。

地方のコワーキングスペースでは、「何が生み出せるだろうか?」というお話で終わった前のコラム。話をもっと目の前のことに戻しつつ、考えてみたいと思います。

さて今日も私は、隼Lab.2Fのコワーキングスペースに出勤しています。定位置の受付に座り、PCを開いているところです。今日はうちのスタッフ、関連企業の経理のパートさん、そしてコワーキング会員さん、そのお知り合いが新商品の開発のために試飲会をしていらっしゃいます。日によって利用人数に波があり、今日のにぎわい具合は5段階で言えば2でしょうか。

午後からいらっしゃる方もいるので、1日で見れば3くらいにはなるかもしれません。
でもやっぱり、会員を始めとしてここを利用する人、ここからご自身の事業やチャレンジを広げていくような人の数を増やし、日常的に賑わう場所に育てていくことは、そう簡単ではありません。

当たり前ですが、都市部と比べて地方は、圧倒的に人口が少ない。特に20~30代の働く世代の人口が著しく少ない。「コワーキングスペースを利用する層が、そもそも少ない」というのは、地方でコワーキングスペースを運営する上で並走しなければならない課題です。

コワーキングスペースを使う人を育てる?

そこで取り組むべきこととして浮かび上がるのが、「そもそも、コワーキングスペースを使う人を育てる」ということです。今回のサミットに参加されるコワーキングスペースでも、すでに創業スクールや経営塾を開催しているところもあります。

例えば、来月オープンする津山のINN-SECTを運営するレプタイル株式会社はUターンが稼ぐまち(津山)を作る創業スクールとして「Homing」を主催。また、隼Lab.でも昨年から「隼アカデミー」という経営塾を開催しています。

こういったスクールを通して、そもそもここを使って自分の事業に挑戦する人が生まれる気風を作ることも、地方のコワーキングスペースでは重要な取り組みです。

 

日常的なにぎわいを作るために。

そしてもう一つ、コワーキングスペースの日常を支えるマネージャーとして考えるのは「日々何ができるだろう」ということです。場所によって、コワーキングスペースの広さは様々。隼Lab.の場合は、個別ブース6席、フリー席約10~15席程度、そのほかにスモールオフィスとして2室があります。この広さに”日常的に”にぎわいをつくるには、日々何ができるでしょうか。

まさにこれが、コワーキングスペースのマネージャーの重要な役割です。
私がマネージャーに就任してから取り組んできたこと一つ一つは、とても小さなことです。それにまだ、何か大きな変化をもたらせたわけでもありません。まだまだこれから。でも、少しずつでも何か工夫したことで利用者の方との会話が生まれたり、そこから新たなつながりのきっかけを作ることができた時の喜びは、この仕事の楽しい部分だと感じます。

例えば、最初に私のアイデアで変えたのは、マネージャーの席の向きです。それまでは、利用者に背をむける向きだったのですが、コワーキングスペース全体が見渡せる向きに変えました。向きを変えただけですが、利用者の方も私も、お互いに話しかけやすくなったように感じます。

また最近では、毎週火曜日にコーヒーの振る舞いも始めました。
シェアオフィスの入居企業の方も来てくださるので、コワーキングスペースだけではなく隼Lab.全体の交流のきっかけ作りになっています。

こういったことには教科書があるわけではないので、今回のサミットで何かヒントを得たり、他のコワーキングスペースの状況も聞けたらいいなと期待しています!