東口善一
地域に新しい風を迎え入れる、隼の“仲人”。
合同会社アンサポ 代表
世界のどこにいても、どこからでも。 好きな生き方と仕事ができる世の中。そこに合わせたサポートを
2018.06.22
『事務』と言えばどんなイメージがありますか?
会社の窓口。必ず駐在している。
しかし、今フリーランスという働き方や社内ではなくコワーキングスペースといった働く場所を選べるなど、パソコン一つでどこにいても働ける時代。働き方の形態が変わって来ています。
今までの事務のイメージを変える地方発信遠隔事務サポートを行なっている合同会社アンサポの永松ゆきさんにお話を伺いました。
co-ba hayabusa(以下co-ba):本日はよろしくお願いします。
永松さん(以下 永松):―合同会社アンサポの永松ゆきです。よろしくお願いします。
co-ba:起業しようと思った理由、きっかけはなんですか?
永松:したことが無いことで、元々したいなと思っていたことの中の一つに起業があったんです。いつかは挑戦したいなーと思っていて、それで初めはショップ、一番最初は『たこ焼き屋さん』をしようと思って道具屋筋で道具買ったんですよ!
co-ba:たこ焼き屋さんですか(笑)
永松:そう、めっちゃ重たいの!で、焼いてみたけど15分ぐらいかかるんですよね、で、これはダメだーと思ってやめて(笑)
ショップはやめたんですけど、2年間ぐらい社会人学校に行ってて、そこでアントレプレナーを学んだんです。
co-ba:アントレプレナーってなんですか?
永松:起業家をサポートすることを学ぶパターンと、起業を目指すパターン。それらを学ぶ大学院に行っていました。
それを学んでいたら、自分で起業しようかなって考えになったんです。
元々働いていた職場で起業サポートとか統廃合とかに関わっていたから、起業するんだ!会社起こすんだ!っていうことに特別感はなくて。
自分でなにかやっていきたいなーって思っていた時期と重なっていたこともあって、会社を立ち上げました。
co-ba:起業は元々したいことだったんですね!
遠隔事務サポートって珍しいと思うんですが、お仕事を一緒にされている方はどれぐらいおられるのですか?
永松:分野によって専門の人に依頼をします。例えば、私は一般的な事務仕事はするけど図面を描いてほしいとかそういった専門的な依頼はその分野の専門家に外注しますね。
いろんな方の窓口になってる感じかな。依頼者と直接やり取りしてもらってもいいんですけど、やっぱり窓口がいた方がやりやすいみたいで、私を通してやりとりします。
co-ba:確かに、知らないことを知らない相手に依頼するのって勇気もいるし分からないことだらけ。よく知っている誰かが間に入ってくれたら安心ですよね!
今まで事務代行って聞いたことがなかったです。どう事業内容を決めたんですか?
永松:大学院でビジネスプランを立てて事業計画までつくることを専攻していたんです。その時に『事務代行、遠隔での事務サポート』というのを作ったんです。元々15年ぐらい事務関係の仕事をやっていたこともあって、作っている間にリアルに仕事にできるなと思えてきました。
大学院OBで起業サポートしている人にも相談していたんですが、やはりビジネスとして需要もあるように感じました。
でも、一大決心して!!というまでではなく、まずはやってみよう!と。
やってみないとわからないこともあるだろし、まずは、動いてみることだと思うから。
co-ba:子育てや仕事との両立で悩んでいる女性は多いと思うのですが、永松さんはそれが重荷になったり、悩んだことはないですか?
永松:勤めていた時はそうでした。知らない間に自分ができる仕事もやらないといけないことも増えていて。最後の方は、会社の近くにマンション借りてまでしてやってました。
co-ba:そんなに!仕事が好きで、という感じですか?
永松:好きというより、やらないといけなくなってたかな。
FPの資格も取って仕事としてはお金のことしっかりやるんだけど、自分のお金の管理となるとほったらかし。
年収増える割には可処分所得が増えるなーって。周りから見たら「たくさん稼いで凄い!」って見られるけど、実感というか、豊かさを感じなかったんです。
帰ったら、子供の寝顔しか見れなくて、朝起きたらいないし。
子育てはお休みの時に少し。なんか、バカバカしいなって。
違う方法で、仕事と子育てと関われないかなと思ったんです。
大学院で書いた論文に、女性のキャリアの形成や継続に、起業というのがひとつの有効な方法になるのではないかと過程して・・・といったことを書いていたんです。でも、実際女性で起業している人は少ない。それはなぜかっていうのも調べたんです。
リサーチしている中で、女性はジレンマに陥りやすいということが見えてきました。
男性は逆に女性ほどは選択肢が多くないと思うんですが、女性は仕事する、しない、子供を産む、産まない。いろいろ選べるんです。
実際起業している女性の方にお話を聴いていくと、自由がきくようになる、選べるようになるからと言われる方が多かったんです。
起業の方が調整がきく。望むように選択の幅が広がる。私もそう実感しています。
(永松さんのブログは、子育ての事や地方で暮らす中見えてきた事、利点や日常生活のお勧め情報など、読みたくなる内容が掲載されている)
co-ba:起業しよう!って、なんだかハードルが高く感じませんか?一大決心みたいな。でも、永松さんはそう感じなかったんですね。
永松:最初はだいたいでも、とりあえずやってみる。やり始めたら、最初の計画通りにはいかなかったりするじゃないですか!リーンスタートアップっていう言葉もあるように、修正していかないといけなくなるし、教えてくれる人もいるし。どんどん修正しながらやったらいいと思うんです。
co-ba:その中で、大変だったことはないですか?
永松:一番は、リーンスタートアップした人ならわかると思うんですけど『値段付け』が大変でしたね。
就職なら、その人まとめて評価されるから分かりやすいんですけど。その人のこの部分に、とか、この仕事量に、とか。
co-ba:人の能力とか人の時間に値段付けるのは特に難しそうですね。
永松:難しい。今でもそこは手探りというか、迷いますね。でもあとは、やりながら考えていけばなんとかなると思います。やってみないと分からないです。
co-ba:仕事をしていて困ったことや、仕事を通して感じたことはありますか?
永松:提供したいことと求めることにズレがあるときは困りますね。遠隔操作の事務サポートだけど、「会いたい!」「いてほしい!」を求める方だとやっぱり合わないですよね。
今、ちょうど働き方が変わってきている時期なのかもしれないなって感じます。
地方に人が動いているように思います。拠点はあっても、そこから外国にも地方にも移動しながら仕事をしている。数か月海外で、とか。
ネット環境も今ならどこでも整ってますし、連絡したい時に連絡することもできるし。
私の仕事は、その時代の変化に合わせた内容かと思います。
co-ba:確かに。昔だとコワーキングスペースで働くという選択肢も無かったですよね。
好きな場所で好きな時間仕事ができる。働き方というか、今生き方事態が変わってきているんですね。
co-ba:これからやりたいこと、挑戦したいことを教えてください。
永松:自由に生きる(笑)時間拘束されるの好きじゃないから(笑)
海外で自由に仕事ができる!という証明はしたいですね。あとは、介護問題の解決にもつながる働き方にも挑戦してみたいです。
co-ba:介護問題で仕事を諦めてしまう人も多いですよね。
永松:そうなんです。それもったいないし、これからも増えていく問題だと思うんで。そこが解決できる働き方を提案することで、女性のキャリアアップや仕事の継続にもつながりそうですよね。
co-ba:時代の変化が著しい今、これからを担う子供たちや色々な理由で働くことができない方に対してもっと自由に、もっと自分らしく働くことの提案が、永松さんのお仕事を通して見えてくるように感じました。
ありがとうございました!
文章:藤田芳美
写真:山村俊太
永松ゆき:
1976年生まれ
大阪出身、7人兄弟の長女
大検(現高卒認定後)、大阪市立大学大学院アントレプレナーシップ研究分野 都市ビジネス修士号を取得
事務職として勤務後、自身の資格や経験を活かし地方発信事遠隔事務サポート&ファイナンシャルプランナー『合同会社 アンサポ』を立ち上げる